日本には四季があります。それぞれの季節で美しい景色を見せてくれています。その自然の中で花と鳥を描くためには、季節に合った組み合わせがあると思います。
好みの時期を季語に
植物は、春、芽を出し花が咲いて、やがて夏頃、実が成長し、秋口には、葉は色付き、実は熟し、子孫に繋ぎます。
その流れの中で我々日本人は一種の植物に対して、好みの時期を季語のようにしました。
例えば梅や桜は、春。
梅の実や、さくらんぼの時期より花の方を好んだので春の季語としました。栗や柿は花より実の方が好まれて、秋の季語のようになりました。
花や鳥を描く時に大切にする事
鳥で言えば渡り鳥でお分かりの通り、ツバメは夏鳥です。
冬は南の国で過ごし、暖かい時期に日本に渡って来ます。
冬鳥では、マガモのように冬だけ日本に過ごし、あとは全国で生活している鳥もいます。
又日本の留鳥でも雀、目白、カラスなどは一年中人間の周りにいますが、夏場だけ山で生活し、あとは人里近くに降りてくるウグイスやカケスのような鳥もいます。
又虫たちも春、菜の花に止まるモンシロ蝶、夏の蝉やカブト虫、秋のスズ虫やコオロギと季節に応じて存在するもの、しないものがあります。
それを考えて花や鳥を描く場合、組み合わせが大切だと思います。
同じ季節の組み合わせを
四季の中でも春なら春同士、秋なら秋同士を組ませる事です。春咲く桜に秋のコオロギを一緒にするのは合いません。
又秋、紅葉した柿の枝に夏のツバメが止まっていると不思議です。
このように鳥や植物を描く際には、季節を合わせて描くことをお勧めします。
梅や桜には目白、紫陽花や合歓にはオオルリ
たとえば幾つか例をあげてみます。
春の梅や桜の花に目白を描くのは春の蜜を吸いに来る鳥なのでよく見る景色です。(余談ですが、梅や桜に鶯が描かれている絵をよく見ますが、もし鳥の色が淡い緑色のうぐいす色をしていたら、それは目白の色を借りているのでしょう。紛らわしいですが、目白はうぐいす色で目の周りが白い色です。ホーホケキョと鳴く鶯は全身茶色に近い、わりと地味な鳥です。)
初夏の紫陽花や合歓の木に止まる渡り鳥であるオオルリ。
この鳥は胸は白であとは全身青い色をした綺麗な鳥です。
秋は熟した葡萄を狙うヒヨドリ。
冬、庭に落ちた椿の花に雀などあります。
その他には飼い鳥もいます。
インコやブンチョウなら季節は問いません。
或いは、目先を変えて犬や猫、兎などの身近な動物も四季を問わずに自由に表現できるでしょう。
是非色々なモチーフの組み合わせを考えて、魅力的な作品を制作して下さい。
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廣瀬 義之